日経サイエンス  2016年9月号

ポストエボラ症候群

S. ヤスミン(科学ジャーナリスト)

西アフリカのエボラ出血熱に終息宣言が出た現在も,約1万7000人が「ポストエボラ症候群」と呼ばれる危機にある。リベリアでの調査によると,生還者の60%が目の問題を,53%が筋肉痛・関節痛を,68%が神経関連の問題を抱えている。原因として最も疑わしいのは,隠れた残存ウイルスと免疫系の過剰反応だ。血液検査でウイルスが検出されなくなった人も他者から避けられ,再発の恐れにさいなまれている。
 

 
再録:別冊日経サイエンス238「感染症 ウイルス・細菌との闘い」

著者

Seema Yasmin

医師資格を持つ科学ライター。この記事のためにリベリアで取材した。取材は国際非営利報道組織ピュリツァー・センターの支援を受けた。

原題名

Ebola’s Second Coming(SCIENTIFIC AMERICAN July 2016)

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