日経サイエンス  2016年9月号

フロントランナー挑む 第63回

再生医療研究のホープ iPS細胞から臓器を作る:武部貴則

長倉克枝(サイエンスライター)

細胞の「もと」と血管の細胞,間葉系細胞を混ぜてゲル上で培養する
再生医療の常識を覆し,細胞から臓器を作る手法を確立した
分野横断的アプローチで臓器発生のメカニズムにも迫る

 

 ジーパンとシャツにラフな髪型。ごく普通の今時の若者だ。武部貴則は2013年,世界で初めてiPS細胞から人の肝臓組織を作り出すことに成功,再生医療の世界に新風を吹き込んだ。論文は科学誌Natureに掲載され,当時医学部を卒業してわずか2年目の26歳だった武部は一躍トップ研究者の仲間入りをした。   (文中敬称略)

 

 

再録:「挑む!科学を拓く28人」」

武部貴則(たけべ・たかのり)
横浜市立大学学術院医学群臓器再生医学准教授・米シンシナティ小児病院准教授。1986年神奈川県生まれ。2011年横浜市立大学医学部医学科卒業,同大助手(臓器再生医学),電通×博報堂ミライデザインラボ研究員,13年同大准教授,15年より米シンシナティ小児病院准教授(小児科)兼務。専門は再生医学,広告医学。

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