日経サイエンス  2016年8月号

気候変動戦争を回避せよ

A. ホーランド(アメリカ安全保障プロジェクト)

地球温暖化の脅威は海面上昇だけではない。気候変動によって世界の特定地域が不安定化し,暴動や武力衝突,テロの脅威が高まっている例が現実にある。それによって国益が脅かされる事態が生じるのを避けるため,米軍は行動を始めている。極端気象→貧困の悪化→暴動→国家の破綻→戦争・テロという因果の鎖を断ち切るべく米軍がアフリカとアジア太平洋地域,北極で展開している取り組みの現状を紹介。
 

 
再録:別冊日経サイエンス231「アントロポセン──人類の未来」

著者

Andrew Holland

超党派の国家安全保障シンクタンクであるアメリカ安全保障プロジェクトの研究担当理事で,エネルギー・気候研究のシニアフェロー。気候変動が安全保障に与える脅威に2007年から取り組んでおり,北極に関する米国の未来について米議会で証言してきた。

関連記事
Climate Change Hastened Syria's Civil War 気候変動がいかにシリア内戦につながったかに関する解説(英文)
シリア危機を招いた気候変動」,J. ウェンドル,日経サイエンス2016年5月号。

原題名

Preventing Tomorrow’s Climate Wars(SCIENTIFIC AMERICAN June 2016)

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