日経サイエンス  2016年8月号

史上最大の飛ぶ鳥 ペラゴルニス

D. T. セプカ(ブルース博物館) M. ハビブ(南カリフォルニア大学)

世界最大の鳥は? 現生の鳥でいうと,飛べないものではダチョウの仲間が最も大きく,飛ぶ鳥ではアホウドリの仲間(翼長3mを超える)が最大であるとされる。だが,かつてはアホウドリをはるかに上回るスーパーバードが空を舞っていた。ペラゴルニス類と呼ばれる一群で,なかでも近年に著者の1人であるセプカによって化石が再発見されてペラゴルニス・サンデルシと命名された種は翼長が7m近くあったと考えられる。ペラゴルニス類はどうしてそんな巨大サイズに進化し,いったいどのように空を飛んでいたのか? 恐竜絶滅後に栄え,300万年前ころに姿を消した驚異の絶滅鳥類の姿が詳しく浮かび上がってきた。

 

 

再録:別冊日経サイエンス220 「よみがえる恐竜 最新研究で明かす姿」

 

著者

Daniel T. Ksepka / Michael Habib

セプカはコネティカット州グリニッジにあるブルース博物館で学芸員を務める古生物学者。鳥類と爬虫類の進化を研究している。ハビブは南カリフォルニア大学の解剖学者。絶滅した鳥や翼竜などの生体力学を研究している。

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恐竜世界にいた鳥」,G. ダイク,日経サイエンス2010年10月号。

原題名

Giants of the Sky(SCIENTIFIC AMERICAN April 2016)

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