日経サイエンス  2016年8月号

特集:がん免疫療法

がん免疫療法2016 3つのアプローチ

K. ウェイントラーブ(サイエンスライター)

免疫系の能力を増強し,がん細胞を攻撃して抑え続ける新世代の治療法が,過去5年間に目覚ましい成果を上げた。「免疫チェックポイント阻害剤」「樹状細胞ワクチン」「キメラ抗原受容体発現T細胞」という3つの新アプローチが実用化ないし臨床試験の段階にあり,悪性の肺がんや皮膚がん,様々な白血病とリンパ腫など,数千人の患者が治療を受けて多くが治癒したようだ。より安全で効果的な治療を目指し,新しい方法やそれらの組み合わせが研究されている。サイエンスライターの著者が米国での実例をリポートする。併せて専門家による以下のコラムを掲載。

 

 

「T細胞を鍛える樹状細胞ワクチン」B. M. カレノ/E. R. マーディス(ともにワシントン大学)

「腸内細菌で免疫応答を引き出す」M-L. アレグレ/T. F. ガジュウスキー(ともにシカゴ大学)

 
 
代表的な免疫療法の作用を示したアニメーション

 

 
再録:別冊日経サイエンス234「最新免疫学 がん治療から神経免疫学まで」

著者

Karen Weintraub

フリーランスのサイエンスライター。健康・医療に関する記事をオンラインニュースSTAT(http://www.statnews.com)やUSA Today紙,New York Times紙などに定期寄稿している。

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がん免疫療法の新アプローチ」,J. D. ウォルコック,日経サイエンス2015年1月号。

原題名

The Cancer Defense(SCIENTIFIC AMERICAN April 2016)

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