
国連による2100年の世界人口予測は,2004年に91億人とみていたものが,最新の値では112億人に膨らんでいる。予想外の増分のほぼすべてが,アフリカの人口増に由来している。出生率が現状の高いままだと,アフリカの人口は現在の12億人から2100年には30億人ないし61億人に膨らむ可能性がある。この急増はすでに不足しているアフリカの資源を圧迫し,全世界に影響を及ぼしかねない。出生率を下げるには,女性の教育的・経済的・社会的・政治的な地位を高める以外に道はない。手ごろな避妊法を容易に利用できる環境を整えることも必要だ。そうした複合的な取り組みによって,すでに大きな変化を実現した国もある。
【関連動画】How Scientific Inventions Sparked Population Explosion
著者
Robert Engelman
家族計画と環境の持続可能性との関係についての研究をワールドウォッチ研究所で率いている。同研究所の元所長。健康と科学,環境について,長年にわたり米国の新聞に報告してきた。著書の「More: Population, Nature, and What Women Want」(アイランド出版)は2008年に国際非営利団体である人口問題研究所のグローバル・メディア・アワードを受賞した。
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「新人口爆発と超高齢化」,M. ヴィステンドール,2016年12月号
再録:別冊日経サイエンス228「性とジェンダー」
原題名
Six Billion in Africa(SCIENTIFIC AMERICAN February 2016)