日経サイエンス  2016年6月号

J-PARCで中性子を探る

中島林彦(編集部) 協力:三島賢二(高エネルギー加速器研究機構)

中性子は原子核内部では安定だが,原子核から飛び出て自由中性子になると約15分でベータ崩壊を起こして陽子に変わる。この自由中性子の寿命を,これまでと異なる手法で精密に測定する実験が茨城県東海村にある大強度陽子加速器施設J-PARCで進んでいる。米仏で行われた精密測定の実験結果は誤差幅を大きく超える食い違いが生じており,J-PARCの実験でどのような結果が出るのか注目されている。

著者

中島林彦 / 協力:三島賢二

中島は日経サイエンス編集長。三島は高エネルギー加速器研究機構(KEK)物質構造科学研究所特別准教授。J-PARCで中性子の寿命を測定する実験に取り組んでいる。

サイト内の関連記事を読む

キーワードをGoogleで検索する

中性子中性子寿命ベータ崩壊強い力弱い力ボートル法蓄積法ビーム法J-PARC大強度陽子加速器研究施設ビッグバン原子核合成小林・益川理論小林・益川行列CP対称性の破れ偏極スーパーミラー