日経サイエンス  2016年6月号

特集:生物のGPS

動物の発生で働く細胞のコンパス 平面内細胞極性

P. N. アドラー(バージニア大学) J. ネイサンズ(ジョンズ・ホプキンズ大学)

動物の身体を構成している細胞はみな,自分が身体の他の部分に対してどちらを向いているかを知っている必要がある。でないと,身体を構成する複雑な組織や器官が適切に組み上がらない。個々の細胞が独自のコンパスを装備しているはずだ。それを可能にしている重要なタンパク質がいくつか特定された。細胞はこれらによって,身体の正面や背中,頭がどちらの方角にあるかを検知する。これらのタンパク質は動物にとって非常に重要なので,それをコードしている遺伝子は最初に登場した5億年以上前からほとんど変わらずに保存されてきた。

著者

Paul N. Adler / Jeremy Nathans

アドラーはバージニア大学の生物学の教授。 ネイサンズはジョンズ・ホプキンズ大学医学部の分子生物学・遺伝学・神経科学・眼科学の教授で,ハワード・ヒューズ医学研究所の研究員を兼務。

原題名

The Cellular Compass(SCIENTIFIC AMERICAN Mach 2016)

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