
自分の場所を常に追跡している「グリッド細胞」の発見は1970年代以降の空間認知に関する研究を大きく発展させる大発見だ。グリッド細胞が存在するのは,かねて記憶の中枢と考えられてきた海馬に隣接している皮質で,空間に関するグリッド細胞のデータが,自伝的記憶を形成するのに必要な文脈(空間時間的な前後関係)を海馬が作り出すことを可能にしているのだと考えられている。
再録:別冊日経サイエンス218 「脳科学のダイナミズム 睡眠 学習 空間認識 医学」
著者
James J. Knierim
テキサス大学医学部ヒューストン校の神経生物学・解剖学の准教授。脳の海馬とその関連領域が空間学習と記憶に果たしている役割を研究している。
原題名
The Matrix in Your Head(SCIENTIFIC AMERICAN MIND June/July 2007)
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前向性健忘/海馬/グリッド細胞/場所細胞/認知地図/エピソード記憶/嗅内皮質