日経サイエンス  2016年5月号

大特集:重力波

GW150914の衝撃

中島林彦(編集部) 協力:大橋正健(東京大学宇宙線研究所) 田中貴浩(京都大学)

2015年9月14日に直接観測された重力波は「GW150914」と名付けられ,波形の解析からブラックホール連星の合体で生じたものとわかった。 重力波はアインシュタインが一般相対性理論の研究から100年前に予言,1970年代に中性子星連星の公転運動の観測から間接的に存在が確かめられていたが,直接観測には成功していなかった。 GW150914によって,強い重力場でも一般相対性理論が破綻しないことが検証され,ブラックホールとブラックホール連星の存在も確証された。ブラックホール連星の起源に関する研究も進んでいる。



再録:別冊日経サイエンス247「アインシュタイン 巨人の足跡と未解決問題」
再録:別冊日経サイエンス215 「重力波・ブラックホール 一般相対論のいま」

著者

中島林彦 / 協力:大橋正健 / 田中貴浩

中島は日経サイエンス編集長。大橋は東京大学宇宙線研究所教授(同研究所重力波推進室長)。専門は重力波天文学。同研究所の梶田隆章所長とともに,LIGOに匹敵する重力波望遠鏡KAGRAの立ち上げに取り組んでいる。田中は京都大学大学院理学研究科教授。専門は一般相対性理論と宇宙論。ブレーン重力や重力波に関心を持つ。本文で紹介した京都大学の中村卓史教授との共著論文も多い。

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