
米ペンシルベニア州南部で暮らすマークとルース(ともに仮名)の兄妹はともに「MTHFR欠損症」という遺伝子疾患をもって生まれた。4歳のときに診断されたマークには神経障害が残ったが,兄の遺伝子データをもとにした新生児スクリーニング検査のおかげで生後2週間で治療を始めたルースは,その後12年間を元気に過ごしている。安価な遺伝子スクリーニング法が発達したことで,現在では数十種類の遺伝性疾患の早期発見,早期治療が可能になった。こうした研究は,アーミッシュやメノナイトといった特定のコミュニティに多発する遺伝子疾患から始まり,最近では双極性障害のような一般的な病気への取り組みにつながっている。
著者
Kevin A. Strauss
ハーバード大学医学部を卒業し,ペンシルベニア州ストラスバーグにある特別子どもクリニックの医長を務める。
原題名
Genomics for the People(SCIENTIFIC AMERICAN December 2015)
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ゲノミクス/アーミッシュ/メノナイト/遺伝性疾患/MTHFR欠損症/グルタル 酸血症1型(GA1)/メープルシロップ尿症/双極性障害/