日経サイエンス  2016年4月号

特集:惑星研究最前線

マイヨール博士が語る 系外惑星発見物語

語り:M. マイヨール(スイス・ジュネーブ大学)

1995年当時,太陽以外の恒星を周回する「系外惑星」は50年以上探索されても見つからず,発見があきらめられつつあったが,ジュネーブ大学のマイヨール教授(現名誉教授)らは約50光年の距離にある太陽に似た恒星,ペガスス座51番星を周回する驚くべき姿の惑星を発見した。それから約20年。約2000個の系外惑星が発見され,系外惑星候補天体は約3000個に達する。系外惑星は天文学の最もホットな分野だ。私たちの宇宙観を大転換させる発端となった最初の系外惑星はいかにして発見されたのか,マイヨール博士に話を聞いた。

 

 

再録:別冊日経サイエンス223「地球外生命探査」

 

著者

Michel Mayor

1942年,スイス・レマン湖畔のローザンヌで生まれ,自然豊かなスイスのワイン産地の田園で育つ。ボーイスカウトでスキーや登山などアウトドア活動に熱中した。ローザンヌに戻って高校時代を送る。ローザンヌ大学と同大学大学院修士課程を修了後,ジュネーブ大学大学院博士課程に進み1971年に博士号取得,同大学の研究員に。1984年にジュネーブ大学准教授,1988年から2007年まで教授。その間,1998年から2004年まで同大学附属ジュネーブ天文台の台長を兼務。2007年から名誉教授。現在もフランスや米ハワイ,南米チリなどにある天文台と協力して系外惑星の研究に取り組む。京都賞のほかアルバート・アインシュタイン・メダル(スイス),カール・シュヴァルツシルト・メダル(ドイツ),王立天文学会ゴールドメダル(英国)など受賞多数。昨年11月の京都賞受賞での京都訪問は,2004年11月に「新・天体形成論:第一世代天体から系外惑星系まで」と題して京都大学基礎物理学研究所で開かれた研究会に出席して以来,2度目。 

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