日経サイエンス  2016年4月号

特集:惑星研究最前線

系外衛星を発見? 第2の土星リング

M. ケンワージー(蘭ライデン天文台)

天の川銀河内にある遠い恒星を回る巨大惑星の周囲に,土星のリングの約200倍という大きさのリングが発見された。プロ,アマ双方の天文学者が力を結集して,最先端の観測技術と天体画像のアーカイブを使い,このリングをさらに詳しく調べている。リングの構造モデルを検討した結果,リングの間隙に火星サイズの衛星が存在するらしいことがわかった。衛星が確認できれば太陽系外で初めて見つかった衛星(系外衛星)となり,他にも系外衛星が存在する可能性が高くなる。発見された系外惑星のリングをより詳しく調べれば恒星の周囲でどのようにして惑星や衛星ができるのか,詳細が明らかになるだろう。

 

 

再録:別冊日経サイエンス223「地球外生命探査」

 

【関連動画】How to Map an Exoplanet’s Rings

著者

Matthew Kenworthy

オランダにあるライデン天文台の天文学准教授。系外惑星を研究,その姿を捉えるため,コロナグラフという光学装置を製作している。余暇にはパンを焼き,オランダの田園地帯を家族とサイクリングする。

原題名

Rings of a Super Saturn(SCIENTIFIC AMERICAN January 2016)

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