日経サイエンス  2016年3月号

特集:科学技術 革新の系譜

SCIENTIFIC AMERICANでたどる170年

D. L. ケブルズ(科学史家) SCIENTIFIC AMERICAN編集部

Scientific Americanはいまから170年前,個人発明家の考案を紹介する雑誌として創刊された。以来,世界を一変させる技術的大変動を報じ続けている。創刊当時,1845年の米国では,蒸気機関が工場や鉱山,製粉所で活躍し,蒸気機関車が驚くべきスピードで人と貨物を輸送し始めていた。19世紀後半には物理学と化学の可能性を活用すべく産業界が研究所を立ち上げ,第二次世界大戦後は国立研究所が研究開発を主導した。1970年代にはマイクロプロセッサーを手にした起業家たちが事業に乗り出した。技術の進展には批判もあったが,大半の米国人は社会を何度も変革した技術進歩を排除せず,これに賛同してきた。科学はさらなるイノベーションを生み出し続けるだろう。

著者

Daniel J. Kevles

科学史家。主に米国社会における科学・技術の過去と現在について執筆している。著書に「The Physicist」(1978年),『優生学の名のもとに』(邦訳は朝日新聞社,1993年),共著書に「Inventing America: A History of the United States」(2006年)など。

原題名

Inventing the World: 1845 / 170 Years of Scientific American(SCIENTIFIC AMERICAN December 2015)

サイト内の関連記事を読む