日経サイエンス  2016年3月号

特集:子どもの脳と心

編集部

危険な行動を好む10代の若者たち。その理由は脳のアンバランスな成熟過程にあるというのが最近の脳科学の見方だ。感情を育む大脳辺縁系が発達する一方,衝動を抑える前頭前皮質の成熟は不十分。この「ミスマッチ」を理解することは,人生設計にもプラスになるはずだ。言語学習においては生後6カ月までの「敏感期」が,母語,他言語によらず最も鋭敏に音を認識できる。言語能力を開花させるには,圧倒的な量の生の話者による話しかけが必要だ。成人の脳の可塑性とは別に,若い脳には外界からの刺激で神経接続が形作られる「臨界期」がある。例えば視覚系の発達は乳児期の2〜3年で終了し,配線は一生保たれる。「臨界期」をコントールできれば,成人でも脳の配線ミスを修正できるチャンスがあるかもしれない。

 

 

10代の脳の謎  J. N. ギード
赤ちゃんの超言語力  P. K. クール
集中学習の窓 臨界期のパワー  ヘンシュ貴雄