
「Siri」や「Pepper」などが登場し,人間は機械やロボットに,感情を認識して洒落や嫌味,真意を理解する高度な意思疎通ができることを期待するようになってきた。著者の研究グループは会話から感情を読み取るよう機械を学習させるアルゴリズムづくりに挑戦した。話し言葉から緊張を識別できるようになったほか,音楽を聴いてそのムードがわかる装置を開発した。研究はまだ緒についたばかりだが,音声認識モジュールや感情認識モジュールを組み合わせ,人間との対話を通じて相手の気持ちを汲んだ受けこたえができる仮想マシンを試作,教育中だ。人間とのやり取りが増え多くのデータを収集するにつれ,「より賢く」なっていくだろう。
再録:別冊日経サイエンス216「AI 人工知能の軌跡と未来」
著者
Pascale Fung
香港科技大学の電子・コンピューター工学教授。マン・マシン対話に対する貢献から,IEEEおよび国際音声通信学会(ISCA)のフェローに選出された。
原題名
Robots with Heart(SCIENTIFIC AMERICAN November 2015)
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ロボット/人工知能/Siri/Pepper/Jibo/アルゴリズム/共感