日経サイエンス  2016年1月号

特集:ビッグサイエンスを問う

SCIENTIFIC AMERICAN編集部

世界の科学力に関する今回の特集は,科学と社会のときとして不安定な連携に焦点を当て,主にビッグサイエンスについて考える。巨大科学プロジェクトはその研究分野に資金と人材を投じるだけの重要な価値があると社会が認めたときに生まれるが,研究者と政治家の目的と手法を調和させるのが難しい例もある。「ヒト脳プロジェクト混迷の教訓」は欧州委員会が2013年に立ち上げた巨大研究プロジェクトの辛苦をリポート,問題点を考察した。一方,社会問題解決のために科学の厳密な手法が求められている。「疫学の手法で殺人を減らす」の著者ゲレーロ・ベラスコは南米コロンビアの大都市カリの市長を2回務め,市政に科学の手法を生かした。殺人事件を劇的に減らしたモデルケースだ。

 

ヒト脳プロジェクト混迷の教訓  S. タイル

科学をリードしている国と機関  SCIENTIFIC AMERICAN編集部

ビッグサイエンスの実規模  SCIENTIFIC AMERICAN編集部

疫学の手法で殺人を減らす  R. ゲレーロ・ベラスコ

【WEB限定記事】

貧困撲滅へ実証的アプローチ  D. カーラン

原題名

Big Science, Big Challenges(SCIENTIFIC AMERICAN October 2015)

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