日経サイエンス  2016年1月号

気候変動問題 未来への扉を開けるには

N. オレスケス(ハーバード大学)

気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)は温室効果ガス排出削減の新たな枠組みで合意できるのか? 行き詰まりを打開するには米国が考え方を変える必要があると著者は説く。この問題に米国が消極的なのは「大きな政府」が自由を脅かすとの疑念が根底にあるが,自由市場任せでは問題は解決しない。有効な対策を実現するには,米国市民は政府の関与や統制を悪者扱いするのをやめなければならない。

 

 

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著者

Naomi Oreskes

ハーバード大学で科学史の教授と地球・惑星科学の客員教授を務めている。コンウェイ(Erik M. Conway)と『世界を騙しつづける科学者たち』(邦訳は楽工社)を共著。2015年にMelville House Pressから出版されたローマ教皇フランシスコによる「気候変動と不平等についての回勅」の序文を執筆した。

原題名

How to Break the Climate Deadlock(SCIENTIFIC AMERICAN December 2015)

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