日経サイエンス  2016年1月号

野菜が体によい本当の理由 微量毒素の効用

M. P. マトソン(米国立老化研究所)

 野菜や果物が身体によいのは抗酸化物質を含みフリーラジカルを中和するからだといわれることが多いが,そうでもなさそうだ。植物は害虫を撃退するために微量の毒素を作り出している。人間がこれを食べると,毒素が人体の細胞に軽いストレスを及ぼして,それを克服するための反応を誘発するらしい。「ホルミシス」と呼ばれる過程で,脳細胞の健康維持や劣化防止に寄与するメカニズムが明らかになってきた。

 

 

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著者のマトソンが断食と脳について講演しているビデオ

 

 

再録:別冊日経サイエンス222「食の未来 地中海食からゲノム編集まで」

 

著者

Mark P. Mattson

米国立老化研究所の神経科学研究室長で,ジョンズ・ホプキンズ大学医学部の神経科学の教授でもある。加齢に伴う神経回路の変化について研究している。

原題名

What Doesn't Kill You ...(SCIENTIFIC AMERICAN July 2015)

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