日経サイエンス  2016年1月号

特集:なぜ眠るのか

編集部

私たちは人生のかなりの割合を眠りに費やしている。なぜ毎晩眠る必要があるのか,その理由はまだ厳密にはわかっていないが,睡眠がホルモンのバランスから免疫による体の保護に至るまで,体の様々な機能に影響を及ぼすことが明らかになってきた。夜になると眠くなるのは,体内にある時計がそのような指示を出しているからだ。人体は概日リズムと呼ばれる約24時間の日周サイクルで活動しているが,現代文明においては夜間の照明や夜更かしの生活などによって,自然な眠りが妨げられることで,様々な悪影響が出ることが近年の研究からわかってきた。体内の時計が24時間ではないサイクルを持つ人の研究が,そうした生体リズムの謎を解明する手がかりになる。

 

記憶・免疫・ホルモンを活性化 睡眠パワーに迫る

R. スティックゴールド

体内時計が壊れると 非24時間睡眠覚醒症候群

E. レイバー=ワレン

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