日経サイエンス  2015年12月号

特集:一般相対論100年

アインシュタインの脳

B. D. バレル(マサチューセッツ大学アマースト校)

 アインシュタインの死後,その脳は病理学者によって勝手に持ち出され,天才と一般人との違いを探る研究に利用されてしまった。知性の源として様々な解剖学的特徴を示す論文も出ているが,確かな成果はなく,むしろ欠点だらけの研究が増えた。アインシュタインの功績の背景には,生涯にわたる考察と探究心,そして大変な努力があったのだろう。

著者

Brian D. Burrell

マサチューセッツ大学アマースト校の数学講師。「Postcards from the Brain Museum」(Broadway,2005年)では,著名な知識人の脳研究に関する神経科学の歴史を調べた。最新の著書は,ハーバード大学の神経科医ロッパー(Allan H. Ropper)との共著による『こちら脳神経救急病棟』(邦訳は河出書房新社)。

原題名

Genius in a Jar(SCIENTIFIC AMERICAN September 2015)

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