日経サイエンス  2015年12月号

特集:一般相対論100年

ブラックホールで一般相対論を検証

D. サルティス(アリゾナ大学) S. S.ドールマン(マサチューセッツ工科大学)

 一般相対性理論は数々の検証に耐えてきたが,ブラックホールの縁など重力が極めて強い場所での検証は行われていない。近々,天の川銀河の中心にある巨大ブラックホールの事象の地平面を観測するプロジェクトがスタート,そうした検証が可能になる。それが本当にブラックホールなのか,裸の特異点のような異質な天体なのかがはっきりするだろう。

 

 

再録:別冊日経サイエンス215 「重力波・ブラックホール 一般相対論のいま」

著者

Dimitrios Psaltis / Sheperd S. Doeleman

サルティスはアリゾナ大学の天文学・物理学教授。ブラックホールや中性子星の観測から,強大な重力場における一般相対論を検証する手法のパイオニア。ドールマンはマサチューセッツ工科大学とハーバードスミソニアン天体物理学センターの天文学者。ブラックホールの超高解像度観測を行うチームを率い,EHTプロジェクトのまとめ役でもある。

原題名

The Black Hole Test(SCIENTIFIC AMERICAN September 2015)

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