日経サイエンス  2015年12月号

緊急特集 ノーベル賞ダブル受賞!

天と地を見つめてきた2人の日本の研究者にノーベル賞がもたらされた。天を見つめてきたのは物理学賞受賞の梶田隆章博士。大気上層で生じて地表に降り注ぎ,岩盤を通り抜けてくる幽霊のような素粒子ニュートリノを観測。ニュートリノが飛行中,その種類が変身する「ニュートリノ振動」が起きていることを発見した。これによってニュートリノが質量を持つことがわかり,素粒子物理学にインパクトを与えた。梶田氏らによる本誌への寄稿を再録,大発見の詳細を紹介する。地中にすむ微小な生物を見つめてきたのは生理学・医学賞の大村智博士。様々な場所の土にすむ微生物を分析,熱帯病の特効薬を生み出した。梶田氏はカナダの研究者,大村氏は米中の研究者との同時受賞だ。化学賞は傷ついたDNAの修復の仕組みを解明した海外の3人の研究者に贈られる。

 

 

物理学賞 ニュートリノ振動の発見

微小な質量の巨大なインパクト  中島林彦

ニュートリノの質量の発見(再録)  梶田隆章/戸塚洋二/E. カーンズ

生理学・医学賞 熱帯病薬の開発

熱帯病の特効薬 イベルメクチンへの道  滝順一

化学賞

DNAの修復機構を解明  編集部

サイト内の関連記事を読む

キーワードをGoogleで検索する

ノーベル賞物理学賞梶田隆章ニュートリノニュートリノ振動スーパーカミオカンデ生理学・医学賞大村智イベルメクチン河川盲目症エバーメクチンオンコセルカ症アベルメクチンリンパ系フィラリア症