
太陽以外の星を周回する系外惑星がこれまでに数千個知られているが,ほとんどは間接的な測定によって発見されたものだ。太陽系の惑星に比べると桁違いに遠くて暗いうえ,明るい親星の近くにあるので,撮影は難しい。地球のような岩石型の系外惑星を撮影するのは現在の望遠鏡では不可能。だが,木星に似た大きくて明るい天体なら可能性がある。直接撮影できれば,化学組成や気候,生命存在の可能性についてより多くのことがわかる。現在,米国と欧州の2つのチームがそれぞれ新世代の機器を用いて“第2の木星”の直接撮影に挑んでいる。巨大ガス惑星がどのように生まれ,惑星系の環境をどのように形作ってきたのかを解明できるだろう。
原題名
In Search of Alien Jupiters(SCIENTIFIC AMERICAN August 2015)