
太陽系には暗黒物質の風が常時,はくちょう座の方向から吹き付けているとみられている。地球は太陽の周りを回っているので,地球から見ると,その風速は公転速度の分だけ,1年周期で変化すると考えられる。暗黒物質粒子の直接検出実験で,この暗黒物質の風速変化に由来する可能性がある観測データの季節変動を捉えたという報告がある。しかし,それを否定する実験結果も出ており,決着がついていない。季節変動が本当に存在するのか,世界各地で実験が続いている。日本では神岡鉱山の地下でXMASS実験が行われており,それに続く形でいくつもの実験の準備が進んでいる。
著者
中島林彦 / 協力 鈴木洋一郎
中島は日経サイエンス編集長。鈴木は東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構特任教授。素粒子物理学とニュートリノ天文学が専門で,スーパーカミオカンデの立ち上げに携わり,ニュートリノ研究を主導,現在はXMASS実験のリーダーを務める。
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