日経サイエンス  2015年9月号

特集:宇宙の光を読み解く

ガンマ線で見る極限宇宙

中島林彦(編集部) 協力:手嶋政廣(東京大学宇宙線研究所)

ガンマ線は大気に吸収されるので宇宙望遠鏡による観測になるが,非常に波長の短い(エネルギーが高い)ガンマ線は大気に突っ込むと可視光を生み出すので,これを光学望遠鏡で捉えることでガンマ線天体を地上観測できる。このタイプの次世代ガンマ線望遠鏡の建設が2015年秋から始まる。完成は2020年代初頭の予定で,ガンマ線バーストなど宇宙の超高エネルギー現象の研究が大きく進展しそうだ。宇宙空間を超高速で飛び交う荷電粒子,「宇宙線」の起源解明や暗黒物質の探索も進むと期待されている。
 

 
再録:別冊日経サイエンス241「巨大ブラックホール 宇宙と銀河の進化を探る」

著者

中島林彦 / 協力:手嶋政廣

中島は日経サイエンス編集長。手嶋は東京大学宇宙線研究所高エネルギー宇宙線研究部門教授。MAGICの責任者を務め,現在はCTA日本代表。超新星SN1987AのTeVガンマ線観測にも取り組んだ。

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