
天体観測では大気が邪魔になるので,多数の宇宙望遠鏡が稼働しているが,宇宙望遠鏡でも見ることができない光がある。1つは「銀河系外背景光」。宇宙誕生以来,すべての星や銀河が現在に至るまでに発したすべての光の総体だが,広大な宇宙全体に広がっているので非常に暗い。地球付近の宇宙空間には塵が漂っていて,それらが太陽光を受けて光るので,銀河系外背景光はかき消されてしまうのだ。もう1つの見えない光は超々高エネルギーの「TeVガンマ線」。地球付近にやってくる量が極端に少なく,宇宙望遠鏡の中に入ってこないので,検出が難しい。それが近年,新たなアプローチによって,謎が多いこれらの光が捉えられるようになり,宇宙の未知の景色が浮かび上がろうとしている。
銀河系外背景光で探る宇宙史 A. ドミンゲス/ J. R. プリマック/ T. E. ベル
ガンマ線で見る極限宇宙 中島林彦/協力:手嶋政廣
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