
大きさ数nmの微小な材料を操ることで,傷口を保護する包帯を正確な薬剤送達システムに変えることができる。いわば「賢い包帯」だ。薬剤と包帯を積層したサンドイッチ構造をナノテクによって作り出すと,薬の放出量を調節できる。傷の状態を検知する包帯も可能。問題を起こすタンパク質を検知して,それを阻害する薬を放出することもできるだろう。小さな積層デバイスを冠動脈に設置し,傷ついた血管壁の修復に役立つDNAを溶解性の層から放出させるアイデアもある。
著者
Mark Peplow
英ケンブリッジを拠点とする科学ジャーナリスト。
原題名
A Smarter Bandage(SCIENTIFIC AMERICAN April 2015)