日経サイエンス  2015年8月号

特集:ナノ医薬2015

狙い撃ち抗がん剤

D. F. マロン(SCIENTIFIC AMERICAN編集部)

現在の抗がん剤は標的の腫瘍になかなか到達しにくい。人体の免疫系が薬を異物とみなして攻撃するほか,薬は腫瘍組織にうまく浸透せず,正常な細胞を害することも多い。ナノサイズの微小カプセルを用いてこれらの問題を回避する医薬が作られている。カプセルの材料をキメ細かく調整することで,免疫系の警戒を避けて腫瘍を狙い撃ちする薬ができる。これらの薬剤はすでに臨床試験の最終段階にある。薬を運ぶだけでなく,がんを引き起こす遺伝子のスイッチを切るナノ粒子も開発されている

原題名

Cancer Drugs Hit Their Mark(SCIENTIFIC AMERICAN April 2015)

サイト内の関連記事を読む

キーワードをGoogleで検索する

薬物キャリアドキシル血液脳関門上皮成長因子受容体