日経サイエンス  2015年8月号

シクリッドの進化

A. メイヤー(独コンスタンツ大学)

ティラピアやエンゼルフィッシュを含むシクリッド科(カワスズメ科)の魚は2500種を超える。体形や色,行動も様々で,脊椎動物で最も多様性の大きなグループだ。この驚くべき多様化をもたらしたのは何なのか。近年に数種のシクリッドのゲノムが解読され,進化を加速したとみられる特徴がいくつか見つかった。また別の特徴からは,同じ適応がシクリッドの別の系統で繰り返し進化したことに説明がつきそうだ。

 

 
再録:別冊日経サイエンス233「魚のサイエンス」

著者

Axel Meyer

ドイツにあるコンスタンツ大学で動物学と進化生物学の教授を務めている。分子レベルと個体レベルの双方における適応と生物多様性の起源を研究。生物種の違いと種分化を調べるためにDNA解析をいち早く利用した科学者のひとり。

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新発見! 文化が促すシャチの種分化」,R. リーシュ,2017年3月号

原題名

Extreme Evolution(SCIENTIFIC AMERICAN April 2015)

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シクリッド適応放散平行進化遺伝子重複非コード領域マイクロRNA