日経サイエンス  2015年8月号

特集 クォークの世界

編集部

核子と総称される陽子と中性子の半径は1000兆分の1m程度と超微小だ。ただ,核子を構成する素粒子クォークは無限小の点と考えられるので,クォークの立場から見れば核子内部も宇宙のような広大な世界だ。そこはクォークと,その反粒子の反クォークに満ちあふれた「クォークの海」になっていて,重力とも電磁気力とも違う強大な力,その名も「強い力」によって支配されている。グルーオンという素粒子が伝えるこの強い力の振る舞いは量子色力学(QCD)によって記述されるが,QCDがいったいどんな物質世界を構築しているのか,わからないことの方が多い。日本を含む世界の研究機関が,様々な加速器実験によって,微小だが広大で謎に満ちた世界を探っている。
 
 

支配者グルーオンの謎  R. エント/ T. ウルリッヒ/R. ベヌゴパラン

「クォークの海」を探る  中島林彦/協力:柴田利明

続々発見 エキゾチックな新粒子  中島林彦/協力:堺井義秀

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