日経サイエンス  2015年6月号

特集 脳刺激治療

編集部

 将来,体内に埋め込んだコンパクトな電気刺激発生装置で様々な病気を治療するようになるかもしれない。1つは炎症治療。私たちの体には炎症を防ぐ仕組みが備わっている。熱や化学物質などにさらされた場合,そうしたストレスに体が過剰反応しないように,ある種の電気シグナルが脳から体内の器官に送り出され,炎症を引き起こす免疫分子の産生を抑制する。体内に埋め込んだ装置で,そうした電気シグナルを発生させることで,この仕組みを働かせるわけだ。重いうつ病(大うつ病)の治療も有望視されている。大うつ病は脳内の複数の神経回路が正常に機能しないことで起こるとみられる。そこで,そうした回路に電流を流して信号伝達の障害を正すことで症状を緩和できる可能性がある。

 

 

炎症を治すバイオエレクトロニック医薬  K. J. トレーシー

難治性うつ病に効果 脳回路を再起動  A. M.ロザーノ

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