
気候変動で多くのワイン産地の気温が上がっている。気温はブドウの実の糖分や酸,香りを生み出す微量成分を左右するので,産地特有のワインの風味を保てなくなる恐れがある。ブドウ農家はブドウの木の列の向きや葉の配置を変えて日陰を増やすなどして対応しているが,暑さを避けてブドウ園を北や高地に移すのは多額の費用がかかるうえ,湿度や土壌条件が異なるため,同じ風味のワインにはならないだろう。
再録:別冊日経サイエンス214「人類危機 未来への扉を求めて」
再録:別冊日経サイエンス222「食の未来 地中海食からゲノム編集まで」
著者
Kimberly A. Nicholas
スウェーデンのルンド大学の准教授(持続可能性科学)。世界各地のブドウ農家とワイン生産者に助言している。実家はカリフォルニア州ソノマのブドウ農家で,そのカベルネ・ソーヴィニヨン種のブドウ園で育った。ツイッターのアカウントは@KA_Nicholas。
原題名
Will We Still Enjoy Pinot Noir?(SCIENTIFIC AMERICAN January 2015)
サイト内の関連記事を読む
キーワードをGoogleで検索する
ピノ・ノワール/カベルネ・フラン/マルベック/ソーヴィニヨン・ブラン/アントシアニン/タンニン