
ここ数年来,大気上層を東向きに吹くジェット気流が通常のコースを外れて大きく蛇行する頻度が高くなっている。これに伴って北半球では地域によって北極からの寒気や南からの暖かい空気が流れ込みやすくなり,寒波や干ばつといった異常気象を招いている。ジェット気流の異変の原因は北極の海氷の減少であるとの見方が有力で,今後地球温暖化が進めば状況がさらに悪化する可能性もある。
【関連動画】Is Extreme Weather Related to Climate Change?
再録:別冊日経サイエンス240「気候大異変 いま地球で何が起こっているのか」
再録:別冊日経サイエンス214「人類危機 未来への扉を求めて」
著者
Jeff Masters
自身が1995年に共同設立したウェザー・アンダーグラウンド(Weather Underground)の気象学ディレクター。専門は荒天予報。ネット上で最大級の人気を誇る天気ブログ,WunderBlogも書いている。
関連記事
「温暖化で寒くなる冬」,C. H. グリーン,日経サイエンス2013年2月号。
原題名
The Jet Stream Is Getting Weird(SCIENTIFIC AMERICAN December 2014)
サイト内の関連記事を読む
キーワードをGoogleで検索する
ジェット気流/ロスビー波/テレコネクション/エルニーニョ・南方振動/北極振動