日経サイエンス  2014年12月号

特集:人類進化 【第2部 我々はどこが違うか】

助け合いのパワー

F. ドゥ・ヴァール(エモリー大学)

 人間はときに自分の命を危険にさらしてまで見知らぬ人を助けることがある。チンパンジーなど他の霊長類も仲間を助けることはあるが,評判と罰に基づく複雑な道徳を実践し,高度に利他的な行動をしたり組織化された大集団のなかで協力したりするのはヒトだけだ。共感や利他行動を大きく進化させ,ユニークな方法で協力するようになったのが人類だ。

 

 

再録:別冊日経サイエンス230「孤独と共感 脳科学で知る心の世界」
再録:別冊日経サイエンス219 「人類への道 知と社会性の進化」

著者

Frans de Waal

エモリー大学の霊長類行動C. H. キャンドラー記念教授で,米国立ヤーキス霊長類研究センターにあるリビング・リンクス・センターの所長も務めている。著書に『あなたのなかのサル』(邦訳は早川書房,2005年),『道徳性の起源』(邦訳は紀伊國屋書店から2014年11月に刊行予定)など。

原題名

One for All(SCIENTIFIC AMERICAN September 2014)

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