
初期人類の祖先は二足歩行や大きな脳,巧みな道具作りを通じて,当時拡大中の草原にうまく適応して繁栄し,一方で類人猿的な祖先は森林に置き去りにされた――。サバンナ仮説といわれるこうした見方は今大きく見直されている。生息場所の森林から草原への変化は一挙に進まず,頻繁な湿潤・乾燥の気候サイクルがあり,我々はそうした環境変化の中で集中的・突発的な進化を遂げたようだ。
再録:別冊日経サイエンス237「食と健康」
再録:別冊日経サイエンス219 「人類への道 知と社会性の進化」
著者
Peter B. deMenocal
コロンビア大学ラモント・ドハティ地球観測所地球・環境科学科教授。米国学術研究会議の報告書Understanding Climate’s Influence on Human Evolutionの共著者。
原題名
Climate Shocks(SCIENTIFIC AMERICAN September 2014)