日経サイエンス  2014年11月号

特集:新説 宇宙の起源

始まりは4次元ブラックホール

N. アフショルディ R. B. マン R. プルハサン(いずれもカナダ・ウォータールー大学)

宇宙は密度無限大の点から突然誕生したと考えられているが,なぜそんな特異な点が存在したのか,謎に包まれている。この特異点の問題をうまく回避できる新しいアイデアを著者らは提唱している。高次元の宇宙で超新星爆発が起き,ブラックホールが形成された結果として私たちの3次元宇宙が出現したというものだ。このアイデアによって,宇宙にまつわる根本的な難問のいくつかが解決する。しかもこの理論は,観測によって検証できる可能性もある。

 

 

再録:別冊日経サイエンス215 「重力波・ブラックホール 一般相対論のいま」

著者

Niayesh Afshordi / Robert B. Mann / Razieh Pourhasan

アフショルディはカナダ・ウォータールー大学の物理学・天文学の助教で,ペリメター理論物理学研究所の宇宙論・重力理論グループの研究メンバーでもある。天体物理学と宇宙論,重力の物理を中心に研究・教育活動を行っている。マンはウォータールー大学の物理学・天文学の教授で前学科長。ペリメター理論物理学研究所の協力研究者でもある。カナダ物理学会の会長を務めたことがあり,教育に関する2つの賞を受けている。興味を持っているテーマはブラックホールと量子情報。プルハサンはペリメター理論物理学研究所とウォータールー大学の博士課程の学生。イラン・シーラーズの出身で,シーラーズ大学で理論物理学の学士と修士を取得した。

原題名

The Black Hole at the Beginning of Time(SCIENTIFIC AMERICAN August 2014)

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