日経サイエンス  2014年10月号

エボラ,C型肝炎に威力 出番待つRNA医薬

C. D. F. マロン(ともにSCIENTIFIC AMERICAN編集部)

 西アフリカでエボラ出血熱が発生し感染拡大が懸念されているが,いまのところ手の打ちようのないこの病気に治療薬が登場するかもしれない。siRNAという短いRNA分子を用いてエボラウイルスの増殖を止める薬だ。これはいま注目を集めているRNA医薬の一例。かつてRNAといえばDNAやタンパク質に比べて地味な下支えの脇役扱いだったが,20世紀末に新たな形態のRNAがいくつか見つかり,細胞内で多様な調整機能を担っていることがわかった。こうした知見によって,様々な慢性疾患に対抗する新しい実験的医薬を作ることが可能になっている。より効果的で正確に働く薬になるはずだ。研究開発の最前線をリポートする。

 

 

再録:別冊日経サイエンス204「先端医療の挑戦 再生医療,感染症,がん,創薬研究」
 

【関連動画】RNA干渉を解説した動画

原題名

The RNA Revolution(SCIENTIFIC AMERICAN April 2014)

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