日経サイエンス  2014年9月号

経済に潜むポンジ詐欺

K. バス

オレオレ詐欺やネズミ講にはご注意を。この種の詐欺は後を絶たない。投資を運用せず自転車操業的に配当に回す投資詐欺は「ポンジ・スキーム」と呼ばれ,19世紀から何度も繰り返してきた。だが,現代の経済活動には違法とはいえないもののポンジ・スキーム的な構造が見られる。金融バブル現象のほか,ストックオプションにもそうした側面がある。規制当局は対処手段を欠いている。くれぐれもご注意あれ。



再録:別冊日経サイエンス249「科学がとらえた格差と分断 持続可能な社会への処方箋」

著者

Kaushik Basu

世界銀行の上席副総裁兼チーフエコノミストで,コーネル大学で経済学の教授を務めている。ポンジ・スキームのほか,贈収賄に関する法的・経済学的な研究など,多分野にわたって幅広い研究を行ってきた。

原題名

The Ponzi Economy(SCIENTIFIC AMERICAN June 2014)

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