
大きな栗の木の下で──という歌と同様に米国の人々に親しまれているのがアメリカグリという木だ。しかし,アジアから持ち込まれたクリ胴枯病菌によって20世紀前半の50年で30億本以上が枯死してしまった。これを再生するため,小麦などの植物の遺伝子を導入して菌への抵抗性を持たせる取り組みが進んでいる。絶滅の危機に瀕した植物種を遺伝子工学によって本来の自生地に復活させる初の試みだ。
著者
William Powell
ニューヨーク州立大学の環境科学・林学カレッジで「アメリカグリ研究・復元プログラム」を率いている。森林バイオテクノロジー・パートナーシップによる「今年の森林バイオ技術者」賞の候補者に選ばれた。
原題名
The American Chestnut’s Genetic Rebirth(SCIENTIFIC AMERICAN March 2014)
サイト内の関連記事を読む
キーワードをGoogleで検索する
クリ胴枯病/糸状菌/アメリカグリ/シナグリ/キーストーン種/交雑育種/選抜育種/戻し交配/扇状菌糸層/抗微生物ペプチド/シュウ酸オキシダーゼ/ゴールデンライス/ニレ立枯病/ニレ黄化病