
コペルニクスの地動説は現在では常識だが,それまでの長年にわたる見方をひっくり返したため猛烈な反論を食らったことは有名だ。だが当時,実は宗教家だけでなく科学者たちも地動説を受け入れず,ガリレオが望遠鏡による天文観測を始めた後もその状況は変わらなかった。当時の科学者は頑固で愚かだったのか? 一概にそうとはいえない。当時の観測事実は地動説とは別の理論を支持していたからだ。
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著者
Dennis Danielson / Christopher M. Graney
ダニエルソンはカナダにあるブリティッシュコロンビア大学の英文学の教授で,コペルニクス革命の文化的意味を研究している。最近まで独ミュンヘン大学で科学史の客員フェローを務めていた
グレーニーはケンタッキー州ルイビルにあるジェファーソン・コミュニティ&テクニカル・カレッジの物理学と天文学の教授。妻のクリスティーナとともに,ラテン語で書かれた17世紀の天文学の文献を翻訳している。
原題名
The Case Against Copernicus(SCIENTIFIC AMERICAN January 2014)