日経サイエンス  2014年7月号

自然エネルギー 主役までの長い道

V. シュミル(カナダ・マニトバ大学)

 薪から石炭へ,さらには石油へという過去の主力エネルギーの移行にはいずれも50~60年という長い年月を要した。現在は石油から天然ガスへの移行期にあたっているが,この移行ペースも似たようなものだ。こうした経緯を冷静に分析すれば,太陽エネルギーや風力,バイオ燃料といった再生可能エネルギーへの主役交代が,これまでより早く進むと考える特段の根拠はない。主力エネルギーの移行に長い年月がかかる理由は何か? また,期待が大きい再生可能エネルギーへの移行時期を早めるためには,どのような政策誘導が望ましいのか? エネルギー問題の専門家が歴史を踏まえたシナリオを示す。

著者

Vaclav Smil

カナダ・マニトバ大学の特別名誉教授。エネルギーと環境の多くの側面に関する30冊以上の著書がある。

原題名

The Long Slow Rise of Solar and Wind(SCIENTIFIC AMERICAN January 2014)

サイト内の関連記事を読む

キーワードをGoogleで検索する

化石エネルギーシェールガスエイモリー・ロビンス