日経サイエンス  2014年5月号

特集:異端の太陽系外惑星

2つの太陽を持つ世界

W. F. ウェルシュ(米サンディエゴ州立大学) L. R. ドイル(SETI協会)

 『スター・ウォーズ』のルーク・スカイウォーカーの故郷,惑星「タトゥイーン」は2つの太陽が沈む不思議な世界だ。では現実の宇宙でもタトゥイーンのような惑星,つまり2つの恒星が連なった「連星」に惑星が存在するのだろうか? 著者らはかねてこんな疑問を抱いてきた。連星はありふれた存在だが,その周囲は力学的に非常に不安定な領域なので惑星は形成されないだろうとの見方もあった。手がかりは太陽系外惑星探索のために打ち上げられたケプラー宇宙望遠鏡の観測データだ。詳しく解析してみると,こうした「周連星惑星」がいくつも発見された。天の川銀河だけでも数千万個の周連星惑星が存在するとの試算もされている。

 

【関連動画】

再録:別冊日経サイエンス200「系外惑星と銀河」

著者

William F. Welsh / Laurance R. Doyle

ウェルシュはサンディエゴ州立大学の天文学教授。ドイルはSETI協会所属の天文学者。同協会はカリフォルニア州マウンテンビューに本部を置く地球外生命の発見を目的とした非営利組織。

原題名

Worlds with Two Suns(SCIENTIFIC AMERICAN November 2013)

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