
顔を見分けて個体を識別できるのは大きな脳を持つ動物に限られると考えられてきた。ところが近年,小さな脳しかない昆虫にも顔を認識できるものがあることがわかった。ある種のスズメバチやミツバチだ。アシナガバチというスズメバチの仲間は顔に模様があり,この違いをもとに仲間を見分けている。ミツバチを訓練して人間の顔写真を識別させることもできた。顔認識の能力はどのようにして生まれたのか?
著者
Elizabeth A. Tibbetts / Adrian G. Dyer
ティベッツはミシガン大学の准教授。進化がどのように動物の行動と認知を形作ってきたかを研究している。ダイアーはオーストラリアのメルボルンにあるRMIT大学(ロイヤルメルボルン工科大学)の准教授。様々な動物の視覚系が複雑な情報をどのように処理しているかを,動物の行動から探っている。
原題名
Good with Faces(SCIENTIFIC AMERICAN December 2013)