日経サイエンス  2014年3月号

特集:重力波天文学

ビッグバンの残響を探る

R. D. アンダーセン(Aeon誌)

 天文学は新時代を迎えようとしている。これまで様々な光(可視光や電波,赤外線,X線やガンマ線)で宇宙を観測してきたが,まもなく重力波でも観測できるようになるだろう。 重力波の観測によって,これまで隠されていた宇宙の姿が見えてくるだろう。重力波ならブラックホールの事象の地平線の内側に何があるかが明らかになり,宇宙誕生の最初期の姿が垣間見えるかもしれない。地上に設置される重力波望遠鏡は数年以内に最初の重力波の直接検出に成功することになるだろう。その次のステップとなる宇宙重力波望遠鏡については2つの方式が競い合っている。

 

 

再録:別冊日経サイエンス229「量子宇宙 ホーキングから最新理論まで」

著者

Ross D. Andersen

オンラインマガジンAeonのシニアエディター。Atlantic誌やEconomist誌などで科学や哲学の分野に健筆をふるっている。

原題名

An Ear to the Big Bang(SCIENTIFIC AMERICAN October 2013)

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