日経サイエンス  2014年3月号

特集:重力波天文学

 一般相対性理論によると超新星爆発や超高密度星が合体する際などは,大質量の物質の激しい動きで時空の歪みが波となって四方に伝わるとされる。この「重力波」は間接的に存在が確認されているものの,直接観測はまだだ。それを成し遂げようと日米欧が競って大型の重力波望遠鏡の建設を進めている。先進技術の粋を集めて作られた,レーザー光を用いた超精密な物差しだ。重力波が到来すると,空間がごくわずか伸び縮みするので,これを検出する。日本の望遠鏡はKAGRAといい,奥飛騨の神岡鉱山の地下で建設中だ。軌道上に望遠鏡を打ち上げ,宇宙誕生直後のインフレーション期に放射された宇宙背景重力波を観測しようという構想もある。

 

 

ビッグバンの残響を探る  R. D. アンダーセン

地底望遠鏡KAGRA  中島林彦 協力:大橋正健/安東正樹

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