
プラセボ効果として知られる偽の治療が驚くほど効くことがある。例えば,うつ病に対する偽薬の効果が,抗うつ剤を使う場合の80%を超える例がある。偽薬は,脳において期待や注意,情動をつかさどる各回路を働かせている。将来,医師たちは日常的に偽薬を使い,承認薬や治療法の効果を増し,場合によっては偽薬がそうした薬剤や治療法に取って代わるかもしれない。
著者
Trisha Gura
ボストンに拠点を置くサイエンスライター。
原題名
When Pretending Is the Remedy(SCIENTIFIC AMERICAN MIND March/April 2013)