
人が過食をするのは,よく言われるように自制心が欠如しているといった精神上の問題ではなく,また,ホルモンのアンバランスによるものでもないことが明らかになってきた。脂肪分や糖分を豊富に含む食物は,脳の報酬系に過剰に働きかけ,食べるのをやめるよう指示を出す脳の働きを無効にしてしまう。こうして,食べれば食べるほど欲しくなる。これは薬物依存症によく見られる感覚だ。
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著者
Paul J. Kenny
フロリダ州ジュピターのスクリプス研究所の准教授。薬物依存症や肥満,統合失調症のメカニズム,およびこれらの異常のための薬物療法を研究している。
原題名
The Food Addiction(SCIENTIFIC AMERICAN September 2013)