日経サイエンス  2013年11月号

系外惑星の空

M. D. レモニック(米クライメート・セントラル)

 太陽とは別の恒星の周りを回る「系外惑星」の大気を調べることなど,かつては夢物語だと考えられていた。主星が明るすぎるので,そのすぐ近くにある小さくて暗い惑星の直接観測は困難だと思われたからだ。ところが系外惑星が多数発見され,観測研究が進んだ結果,系外惑星が主星の裏側を通過する際に起こるスペクトル(波長ごとの明るさを表すグラフ)の変化から,系外惑星の大気組成の手がかりが得られる可能性があることがわかった。現在,最新技術を用いて系外惑星の大気中に存在する原子や分子の検出が試みられている。オゾンなど地球外生命が存在する証拠となる分子の探索はまだだが,それも近い将来,実現しそうだ。

 

 

再録:別冊日経サイエンス200「系外惑星と銀河」

著者

Michael D. Lemonick

タイム誌で21年間,科学記者を務め,現在は非営利ニュースサイト「クライメート・セントラル」記者。「Mirror Earth: The Search for Our Planet’s Twin」(Walker Books, 2012年)の著者でもある。

原題名

The Dawn of Distant Skies(SCIENTIFIC AMERICAN July 2013)

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