
カナダのタールサンドや米国のシェールガスなど,在来とは異なる石油・天然ガス資源の開発が進んでいる。日本では海底のメタンハイドレートに期待がかかる。在来資源が細るなかで必然的なアプローチに思えるが,これらの掘削にはより多くのエネルギー,つまりコストが必要になる。どのエネルギー源に投資するのが経済的に賢いのだろうか? 判断の決め手となるのは「エネルギー収支比(EROI)」という指標。燃料の生産に使われた単位エネルギーあたりの発生エネルギー,つまり得られる正味エネルギーの比を示すものだ。様々なエネルギー源について入力と出力を調べてその収支比を算出,これに基づいて実力を比較した。
著者
Mason Inman
カリフォルニア州オークランドを拠点に活動するフリーのジャーナリスト。「ピークオイル論の父」と呼ばれる地質学者ハバート(M. King Hubbert)の伝記を執筆中。
原題名
The True Cost of Fossil Fuels(SCIENTIFIC AMERICAN April 2013)